センター試験を目指そう
今年のセンター試験(筆記)は、昨年より若干易化したように思う。これまで前年と比べて易化したなと思う年は何度もあったが、今年の印象は以前と少し違う。例年、易化したと言っても、紛らわしい問題が何題かは含まれていたものだ。特に昨年は、発音問題に、他の問題と比べて明らかにレベルの違う難問があった。そうした問題が、今年は一切なくなったのだ。
センター試験は、総じて年を追うごとに易しくなっており、ここまで易しくなって大丈夫なのかなとも思ったが、逆にここまで易しくなると、基礎力判定の試験という位置づけが鮮明となり、中途半端な難問を織り交ぜるよりも好印象だ。
易しくなったとは言っても、問題としてよくないわけでは全くない。むしろ、基礎的な実力をきちんと測ることができる良問だと思う。実際今回のセンターのような問題は(特に長文では)、本当の実力がついている人にとっては、解説の必要もないほど明らかだが、逆に実力がついていない人にとっては、設問の解説をされるとなるほどと思うかもしれないが、それだけで解けるようにはならない。自力で解く段になると結局しっくりこず、同じ間違いを繰り返しがちだ。それに何と言っても、センター試験は分量が多いため、これだけの分量を時間内で読み通すだけの実力がない限り、頭の中での情報処理が追いつかず、取れる点数には限界が出てきてしまう。
結局こうした問題に対処するには、解法のテクニックだけではどうにもならず、日々こつこつ勉強して、本当の意味での実力をつけなければならない。このように、正しい勉強に向かわせるという作用がある -- と私は思っているが -- という意味でも、センター試験はよい問題だと思う。
もちろん国公立大の二次試験や、私立大上位校の入試は、難度がはるかに高く、センター試験の出来が、そうした入試に対応できる指標になるとは必ずしも言えないが、英語力を上昇させていく過程で、まずは、今回のセンター試験のような問題に対応できる段階を目指すべきだろう。
ちなみに、私立難関大の一部に見られる、英語そのものが難しいというよりも、出題形式の特殊さゆえに難しくなっていて、実力以外で差がつく恐れのある問題も、センター試験に倣い、ぜひ改善してもらいたいものだ。
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