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2018年5月に作成された記事

2018年5月31日 (木)

勉強法はよくても、前提が違っていないか?

 英語の勉強は、理解して覚えるだけではダメで、問題を何度も解き直したり、英文を何度も音読したりといった反復作業が必要だ。そうした反復作業で、理屈で何とか分かるものを、直感的に分かる域に高めて初めて実力がつくと言える。
 
 もっとも音読などの反復作業の重要性は随分前から言われていて、最近はそう声高に言わなくても皆さん結構やっているようなのだが、逆に最近気になるのは、「ただ」音読している、「ただ」問題を解いているという事例が多くなったことだ。
 
 例えば長文の音読はしているという生徒に、この段落の主旨は?、なぜ筆者はこう考えているの?、この単語の意味は?などと聞いても、ほとんど答えられない場合が結構ある。
 
 また文法問題集を何度も解き直しているという生徒に、なぜこれが答なの?、この問題のテーマは?、そもそも不定詞の用法の区別は?などと聞いても、やはり答えられない場合が多い。
 
 ちなみに音読というのは、まずは授業等で単語や文法や内容を学び、ひとまず分かったかなという英文に対して行うことに意味がある。理屈を介してやっと分かるという段階では、時間もかかって入試等の実戦では対処しきれないので、音読作業を通して、瞬時に直感的に分かる域にまで高めるという訳だ。あとは何度も英文に触れることで、一度覚えた単語を忘れにくくするという効果もある。
 
 でも元々分かっていない英文を読み直しても、そもそも分かっていないのだから、直感的に分かるようになるはずもない。そうしたやり方では、せっかくの音読作業もほぼ意味のないものとなってしまう。
 
 文法問題にしても、答の根拠も、問題のテーマも分からない状態で何度解き直しても、実戦で役立つ力が身につかないのは明らかなはずだ(全く同じ問題が出る定期テスト対策としては有効かもしれないが)。得てしてこうしたやり方をしてしまう生徒は、とにかく多くの問題をこなすことが重要だと思っている節があるが、問題数を減らしてでも、問題のテーマや答の根拠を理解する(必ずしも人に明確に説明できなくてもよい)ことにもっと時間を割くべきだ。
 
 さらに言えば、文法学習は、4択の文法問題(総じて入試ではあまり出ない)対策のためだけではなく、長文に役立つ視点でも学んでほしい。例えば不定詞には3用法あって、副詞的用法はさらに5つほどに意味(訳)が分かれて、そしてこういう特徴がある時はこの意味だ、といったことを整理して頭に入れることだ。
 
 いずれにしても、勉強している本人が問題意識や目的を持たず、何となくやっているだけで力がつくということは、ほぼあり得ない。確かに英語の勉強では、どうしても理屈で理解できないものを、何度も反復して先に理屈抜きで覚えてしまって、後から、あっ、こういうことだったのかと納得感を湧かせる、というやり方もある(実際私も学生時代にやっていた)。ただ、そういう手法が有効なこともあるというだけで、全ての勉強を「何となく」のやり方にしてしまっては、あまりにも効率が悪い。
 
 以上のように、音読といった巷で言われているよい勉強法も、前提が間違っていては効果がなくなってしまう。心当たりのある方は、ぜひ見直してみてはいかがだろうか。

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