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2015年12月31日 (木)

入試英語長文からの究極の学び

 このブログでは時折、印象深かった内容の入試英語長文を取り上げているが、最近特に、よく思い出される長文がある。それは、世紀を1つ戻した、1999年の昭和薬科大の問題で「しゃべるバクテリア」の話だ。

 あるたとえ話なのだが、内容は次のような感じだ。

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 試験管の中にバクテリアがいる。このバクテリアは1分で2倍に増殖する。そして試験管には、この増殖が1時間続けられるだけの食料等の資源と空間がある(つまり1時間で限界が来るので、それ以上は生きられない)。

 例えばちょうど11時に、試験管の中にバクテリアが1個入れられると、11時1分には2個になり、11時2分には4個になる。こうしたペースで増え続けていくが、ちょうど12時になると、資源も尽き、空間的にも限界となり、このバクテリアは全て死滅する。

 ちなみにこうした増え方だと、バクテリアが死滅する1分前の11時59分でも、まだ試験管の半分しかバクテリアはおらず(つまり半分の空きがあり)、死滅する2分前の11時58分では、4分の1のバクテリアしかいない(つまり4分の3も空きがある)ことになる。

 さてこの話では、11時58分ともなると、バクテリアも繁栄を極め、人間のようにコミュニティーを作り、政治家や実業家や環境学者、そして学生なども登場する、という設定だ。

 そして11時58分、試験管の中では次のような意見が交わされている。環境学者のバクテリアは、資源が尽きかけていると警鐘を鳴らすが、政治家は耳を貸さず、これまでのバクテリア史上使ってきた資源のまだ3倍もあるのだから、心配いらないと言う。実業家は政治家と同意見だが、資源に余裕があるから、他の試験管にそれを売って利益を上げようとさえ言う。そして学生は、どの意見が正しいのか判断に迷う。

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 といったわけだが、この話のポイントは、地球には環境収容力の限界があって、それを超えた人口は支えられないということと、人口は指数関数的に増えるので(あくまでも理論上の話だが)、限界に近づいていても気づきにくいということだ。

 この話は専ら、人口の問題のことを言っていて、世界の人口増加の問題(日本は減っているが)は、もちろん憂慮すべき問題だが、私が特にこの話と結びつけたくなるのは、温暖化を始めとした環境問題だ。

 最近増えている異常気象・気象の極端化も、これまでの人間の活動への警鐘を鳴らすものとして、つまり危機の始まりとして捉えられがちだが、実はもう限界が近づいていることの表れなのではないか。

 今月パリで、COP21という会議が開かれ、これまで以上に本腰を入れて、温暖化対策を行なうようになったが、それでもまだまだ甘いのではないか。

 テロといった治安の問題も同様で、最近の世界情勢の悪化も、危機の始まりではなく、危機の最終局面を表しているのではないか。はたまた日本社会の劣化も同様で・・・

 と、こんなことを考えていくと、自分は一人気楽に(授業は緊張感を持ってやってますよ)英語を教えている場合なのだろうか、などとも考えるが、もう自分には英語を教える以外のことはできなさそうだし・・・

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