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2013年1月31日 (木)

センター試験の微妙な変化

 今年のセンター試験(筆記)は、昨年と比べて、出題形式やレベルに大きな変化はなかったが、長文の分量が少し増え、一層の速読力が求められただろうか。ただそれ以上に、実際解いてみて感じた微妙な変化がある。それは、英文そのものの解釈というよりも、情報処理力が鍵となる文章、問題が増えた、ということだ。

 例えば、アメリカのある州の時間帯を扱った第3問Cの長文では、東部、中部どちらの時間帯に属するか、夏時間の採用の有無、年代による変化等を素早く判断しなければならなかったし、写真スタジオの広告に関する第4問Bの、料金を比較する問題では、非常に多くの項目を考慮しなければならなかった。また映画の感想が書かれた第5問の長文も、本文から部分的に該当箇所を探せば解けるという問題よりも、全体の内容を把握して初めて解けるという問題が多かった。

 そもそも、昨年1月のブログにも書いたように、センター試験のレベルは年々易しくなり、昨年(2012年)は、それ以前には多少見られた、解釈そのものが難しいといった英文は、ついに姿を消したように思う。今年も同様に、そうした英文は見当たらなかったが、その代り上記の例のような、情報処理力がより求められる問題が増えたのだ。そうした問題は、ある程度の英語力を持つ人なら、時間さえあれば解けるはずなのだが、制限時間内に解くとなると難しい。素早い情報処理の訓練をしていないと、頭の回転がついていかないのだ。

 このような問題は、小手先のテクニックではどうにもならず、コツコツ地道に積み上げた勉強でしか対処できない。したがって、英語の実力をきちんと判定できるよい問題だと言える。

 ただ行き過ぎると、英語の問題なのに、英語以外の力で差がついてしまうことになり、気になるところだ。今年のセンター試験で言えば、第4問Bの料金比較の問題は、情報処理が勝りすぎた、ちょっと行き過ぎの例だろうか。実際この問題を間違えた生徒も、英語がわからなくて間違えた、という事例は少ないのではないだろうか。とは言え、大量の情報から、大事なことをつかみ取らなければならない、情報化時代において、情報処理力というものは、センター試験の英語でも求められる力なのだろう。

 もちろん、国立大の二次試験や、私立難関大の入試では、解釈そのものが難しい英文が出されるわけだから、情報処理力さえ鍛えればよいわけではないし、情報処理といっても、一定の語彙力、文法力があって初めてできることだ。また、速読力が求められるといっても、速さだけを意識した勉強では、理解の精度が落ち、実力は上がらない。時にはじっくり考える勉強も必要だ。しかし、現代の英語学習の最終的な方向性を見失わないためにも、素早い情報処理力というワードは、念頭に置いておくべきだろう。

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