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2012年9月30日 (日)

勉強は何をやるかよりもどうやるか

 少し前の話だが、ある高1生の期末テストの得点が、その前の中間テストから2倍以上UPして70点台となった。そして、その成果を上げるのにに大きな役割を果たしたと思われるチェックリストがある。まずはそのリスト(←クリック)をご覧いただきたい。

 このリストは、次の授業までの1週間の間、学校の教科書や単語集などで、リストにある3つの各項目に当てはまる単語や熟語を、毎日1つでいいから記入してもらうというものだ。そして、このリストに記入した単語や熟語は、次の授業までに絶対に覚えておかなければならない、という約束事になっている。

 それにしても、こんな簡素なもので、成績が上がるのかと、ほとんどの人は疑問に思ったのではないだろうか。改めて見ると、作った私自身も、そう思うくらいだ。でも大事なポイントは、このリストそのものにあるのではない。

 そもそもこのリストは、元々作ってあって、色々な生徒に使っているものではなく、ここで話題にしている生徒専用に作ったものだ。なので、リストの3つの項目についても、授業を進める中で浮かび上がってきた、この生徒ならではの課題が書かれている。

 得てして英語の苦手な人は、まず英語がきちんと読めない場合が多いが、この生徒もまさにそうだった。そうした状態では、そもそも英語が頭に飛び込んできにくく、定着もしづらいので、この状態を解除すべく、リストの項目1を設けた。

 また英語の苦手な人は、ただ問題集を解いたり、何かを見ながら課題を仕上げるだけで満足する、といった勉強をしがちだが、これもやはり、この生徒に該当することだった。(学校の課題が多く、こなすだけで精一杯だった、という事情も影響していたようだが・・・) なので、ただ問題をこなしてどんどん進めていくというスタンスを、立ち止まるべき時は立ち止まって、じっくり暗記をするというスタンスに変えてもらうべく、リストの項目2を設けた。さらに一度触れても、復習しなければ定着はしないので、そこをわかってもらうために、そして実際に復習を行なう契機となるように、項目3を設けた。

 そして、3つの各項目に当てはまる単語や熟語を毎日1つ記入してもらうわけだが、上述のように、このリストに記入する作業そのものがポイントなのではない。そもそもこのリストを作る前に、生徒の状況を十分に把握した上で、解決法を提示し、生徒ともよく話し合った上で、こういう勉強法で進んでいこう、ということは既に理解してもらっている。このリストはあくまでも、自ら書き込むことによって、問題解決に向かって着実に前進していることを実感してもらうための方便にすぎない。

 要するにこの生徒には、英語をきちんと読み、ただ問題を解くだけでなく、暗記すべきものは暗記する、という勉強をしてもらいたかったのだが、このリストはその方向に向かわせるためのツールなのだ。

 もちろん、単語や熟語の暗記だけで全てが片づくわけではないが、このリストを通して身につけた、単語や熟語をじっくり暗記するという頭の使い方が、文法力や読解力のUPにも生かされたのだと思っている。

 テストの点が2倍以上と、想定外に上がったのは、生徒自身の前向きな姿勢、工夫によるものが大きいだろう。ちなみにこの生徒は当初、リストに書いた単語や熟語は絶対に覚えなければならないこともあり、簡単なものを選んで書くこと多かったが、そのうち、どうせやるならと、色々な情報を得て、学校の単語テスト等で出題されそうな、比較的難しいものを記入するようになった。この自発的な変化は、嬉しい副次的効果だった。

 いずれにしても、新しい教材は何も使わず(ただでさえ課題の多さに悩まされていたわけだから、当然かもしれないが)、勉強に対するスタンスを変えただけで、成績が上がったと言える。やはり勉強は、何をやるかよりもどうやるか、が大事なのだ。

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