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2012年8月25日 (土)

オリンピックに見た、変わったこと、変わっていないこと

 ロンドンオリンピックが終わった。今風の言い方をすれば、私も多くの感動をもらった。

 今回の日本選手・チームで、私が注目していたのはサッカーだが、中でも特に印象に残っているのは、男子の初戦・対スペイン戦だ。前回の2010年のワールドカップ優勝国、FIFAランキング1位のスペインに、日本が勝ったのだ。

 この勝ったということ自体も素晴らしいが、それ以上に、戦いぶりや、コメントが立派だった。選手たちは、強敵スペインに対しても、あわよくば勝ちを狙うとか、何とか引き分けに、という意識ではなく、本気で勝ちにいっていた。それは試合の堂々とした戦いぶりや、選手たちの自信あふれるコメントにも表れていた。本気で勝つつもりで戦うなど当たり前だし、そう思って応援するのも当たり前ではないか、と言われればそうなのだが、これが意外と難しかったりするのだ。

 そもそも今でこそ、日本がサッカーの国際試合に出るのは普通のことになっているが、連続してオリンピックに出るようになったのは1996年のアトランタ(その前は1968年のメキシコ大会)から。ワールドカップに至っては1998のフランス大会で初出場。特に98年のワールドカップに初出場するまでの、長い苦難の道のりを知っている我々の世代(40代後半)にとっては、国際試合には、出るだけである意味満足、ヨーロッパの強豪には、勝敗はともかく、恥ずかしくない戦いをしてくれればそれでよし、といった感覚がある。

 今回のスペイン戦も、私はそのような感覚で見ていた。だからその分、選手たちの、本気で勝ちにいっていた戦いぶりと、それを示すコメントに感銘を受けた。でも思えば、日本がワールドカップに初出場してからもう14年、選手たちの意識も変わって当然だし、こちらの意識も当然変わらなければならない。本気で勝ちにいっていた若者をスペイン戦で見て、そのことを強く思い知らされた。
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 もう一つ印象に残った、と言うより気になったことは、日本人メダリストのほぼ全員が言っていたと思われる、「メダルが取れたのはみんなのおかげ」というコメント。これは日本特有の謙虚さを表すよいコメントだと思うし、選手の皆さんも、基本的には本心からそう言っていたように感じる。でも、ここまで全員が、ここまで開口一番に、ここまで抜かりなく言うと、どこか違和感がある。選手個人の気持ちとは別の何かが、そう言わせている気がしてならない。

 以前から日本には、優れた業績をあげた人も謙虚であるべきだという考えがある。そしておなじみの横並び意識もある。だから元々日本人は、オリンピックでメダルを取った時などでも、謙虚な発言をしがちだった。それが近年のインターネットの発達によって、より強化された。従来のマスコミに加え、一般の多くの人たちも、世の中のことにある程度影響力を持つ形で意見を発信できるようになり、皆で監視役を務めて、謙虚な発言をすべしという空気を生み出したのだ。

 でも、昨年9月にも同様のことを言ったことがあるが、オリンピックのメダリストにさえ、型にはまった謙虚さを半ば強制するような日本の状況は、どこか息苦しくないだろうか。
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 以上、ロンドンオリンピックを見て、変わったなと思ったこと、変わってないなと思ったこと、の2点を述べてみた。

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