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2012年3月23日 (金)

合格体験記ではあるが・・・

 教え子の声というコーナーに、ある生徒の体験記が載っている。本来こうした体験記は、希望する学校に合格し、そして進学するというものだろう。でもこの生徒の体験記は、読んでおわかりのように、大学には合格したが、進学せずもう1年勉強を続けるというもの。

 こうした記録を公表していいものかどうか、少々悩んだが、実は当初から、この生徒の頑張りは凄いものがあったので、結果の如何にかかわらず、これまでの経緯は公表したいと思っていた。その旨を生徒にも話したところ、生徒も実績を出したという自負があり、むしろ経緯を公表してほしいくらいだったようなので、それならばと、通常の進学が決まった生徒と同じように、体験記を書いてもらった次第だ。

 実際、この生徒の当初のほぼ何も知らなかった状況を考えると、進学しないとは言え、大学合格という段階に至ったことは、もの凄い業績で、他の生徒の参考になる部分もあるのではないだろうか。

 ちなみにこの生徒の特長を、キーワードで3点に集約すると、
1、素直
2、暗記を厭わない
3、自己分析ができる
といったことになるだろうか。

 この生徒がウチに来たのは5月だが、受験勉強自体はその2ケ月ほど前から始めていた。でも英語で行っていたことは、一般的な文法問題集をただ解くだけというもの。かなりやり込んではいたが、勉強法をきちんと指導されていなかったので、確実に覚えるべきものと、慣れのために練習をするだけでよいもの、といった分類がわかっていなかったし、何と言っても単語・熟語と長文がノータッチというのが、受験勉強としては完全にアウト。

 こうした事情を聞き、まずは勉強の根本的な姿勢を変える、つまり問題を解くことから、覚えることに重点を移すように指示。この点は納得してくれたようで、「素直」に従ってくれ、その後は、とりわけ単語・熟語の「暗記を厭わず」に行った。それは本当に徹底していて、厳しく指導することが多い私が、もうそのくらいでいいんじゃないか、と何度も言ったほどだ。

 もちろん無理強いではなく、話をして納得してもらった上で、根本的な姿勢を変えてもらったのだが、この変化を「素直」に受け入れてくれたことが、まずは大きなポイントだった。とにかく究極のところ英語は覚えてナンボなので、そもそもこの変化がなければ、今年度の大学合格はなかったと思われる。

 その後授業で事あるごとに、この生徒は、ここが覚えにくい、しっくりこない、覚えたらこういう変化があったなど、自らの感覚を語ってくれた。この「自己分析」力、そしてその分析を教師にきちんと伝えてくれたことによって、より効果的な指導ができた。

 体験記にあったように、私大文系で一般的な3科受験ではなく、英語・現代文(小論)の2科受験を決めたのも、本人の「自己分析」によるもの。この申し出があったのは、秋深まる頃だが、当初私は積極的に賛成ではなかった。やはり科目を減らすと受験できる大学の幅が狭まるし、合格最低点も上がるからだ(合格した成城も、最低点は8割以上)。

 でも本人の分析によると、このままいくと、英語も古文も日本史も覚えるべきものが覚えきれず、中途半端になってしまい、受験科目を減らすデメリットはわかっているが、英語の暗記をさらに徹底させて受験レベルに上げ、比較的得意な現代文と合わせて、今年度何らかの結果を出したい、とのことだった。実際この決断は、今年度一定の成果が出せたことに、大きく影響していると思う。こうした話を聞いて私も十分に納得し、今後は2科という方向で、改めて頑張っていこうという気持ちになった。

 この生徒の合格体験記の掲載は、他の生徒に何かしら示唆するものがあればという意図もあるが、もう1年受験勉強をすることを公言するものでもある。当然来年は今年よりもよい結果が期待され、私にもプレッシャーがかかる。でも生徒側が、自分を律するために掲載したいと言っているのに(何と素晴らしい!)、教師の私が躊躇している場合ではない。これを機に、今年もしっかり指導することを宣言しよう。最後に、思いの詰まった文章を寄せてくれた生徒に、改めて感謝する。

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