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2011年6月14日 (火)

これまでに出会ったすごい生徒

 長年教える仕事をしていると、時おりすごい生徒に出会うもの。以下に3名ほど披露させていただく。

● 2ケ月で単語を2000個覚えた高3生

 予備校で教えていた時、ある高3生が9月に、模試で英語の偏差値だけ50未満で、一向に上がらないのだが、どうしたらいいか、という相談に来た。聞くと、長文を読もうとしても、半分以上は分からない単語で、全然読めないとのこと。そんな状態では、アドバイスは簡単で、とにかく単語を覚えなければ始まらないからと、せっかく持っているのに、使わずにいたという単語集を使って、早急に単語を覚えるようにと指示。
 それから2ケ月経った11月、その生徒がやって来てこう言った。「先生、単語集1冊覚えたら、模試の偏差値が70超えました。単語覚えると、英語ができるようになるもんなんですねえ。」と。
 おー、よかった、という思いと、そりゃあ、単語を覚えれば変わるよ、という素朴な思いとともに、凡人の私は、え、2ケ月で単語集1冊(つまり単語約2000個)本当に覚えちゃったの?、とにわかには信じられない気持ちもあった。
 でも当の本人は、単語を覚えろというから覚えたら、成績が上がったという、ただそれだけのことで、短期間での大量暗記という、すごいことを成し遂げたという感覚は持っていない様子だった。ちなみに、この生徒は東大に合格した。

● 模試で数学がどうしても満点になってしまう高2生

 やはり予備校で教えていた生徒だが、同じクラスを担当していた数学の先生からの話しによると、その生徒は、どんな模試を受けても、数学は満点になってしまい、何かもっと難しいものはないかと聞いてきたとのこと。ならば、1学年上の3年生用の模試を受けたらどうかとアドバイスすると、それに従い、勧められた模試を受けたが、やはり満点だったそう。となるともはや、高3用の東大模試しかないのではという話しになった。実際受けてみたところ、ようやく(?)満点ではなくなり、目的が果たせて生徒も喜んだ・・・ということはなかったが、高2生が高3用の東大模試で、合格判定Aを出したことが、各先生にまた新たな衝撃を与えた。この生徒も当然のように、東大に進んだ。
 ちなみに英語の授業では、この生徒は、見聞きした事は何でも覚えてしまうのでは、という印象で、授業で強調したところはもちろん、余談として口で言っただけのことも、もれなく覚えていた。
 さらにこの生徒は、高2最後の授業の後に、私のところに質問に来た。その質問は何と「英語って、勉強した方がいいんですか?」・・・ つまりこの生徒は、これまで自分では、英語の勉強をしたことがないと言うのだ。最後の最後で、また衝撃的事実に触れ、しばらくは返す言葉もなかった。教師として、勉強しなくてよいといったことは言いたくなかったが、結果として、今までそれで大丈夫だったのなら、油断は禁物だけど、今後も特別なことはしなくてもよいのではないか、と確か言ったと思う。

● 自ら微分を考えついた中1生

 相当昔のことなので、少し記憶が曖昧なところがあるが、教え子の中1生が、確か以下のようなことを言っていた記憶がある。
 ある時その生徒は、ある自然現象を、自ら数式化してみたと言う。(凡人の私からすると、これだけでも驚き。) 自ら考え出したものではあるが、結構納得がいくものだったので、恐らく正しいのだろうと思えたらしい。
 それから数ケ月後、何の気なしに、高校数学の参考書の「微分」という単元のところを見ると、自分が以前考えた数式が載っていたと言う。そこで、へー、自分が思いついたあの考え方は微分って言うんだとか、既に存在している考え方だったのか、などと思ったと、本人は淡々と語っていたが、何と何と、この生徒は自ら微分を考えついたのだ! もう、ただただ絶句。
 この生徒は英語の授業で、初めて助動詞canを教えた時に、canの「~できる」は、能力か可能か?と質問してきた。中1でこのような質問をするとは、ただ者ではないと思っていたが、まさか自ら微分を考えつくとは!
 ちなみにこの生徒は、授業が物足りないということで(かなりレベルの高いことをやっていたのだが)、中1で塾をやめてしまった。でも彼のレベルに合わせるわけにはいかないし、致し方ないか、という雰囲気が先生の間にあったことを覚えている。
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 とまあ、すごい人がいるものだが、私のような凡人からすると、ただただ驚嘆するばかり。そして、自分もすごくなったと錯覚するせいか、なぜかわくわくもしてしまう。
 上の生徒は、すでに一線で活躍のことと思うが、持っている力を大いに生かし、今後も頑張ってもらいたい。
 一方で、私のような凡人派(?)の皆さんは、いざ自分の勉強となった場合は、上のような生徒をマネてはいけませんよ。入試に必要な単語は2ケ月で覚えられるとか、英語の勉強は特にしなくてよい、などと考えるのはもっての外ですよ。

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